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英語の文化、名前

さて、今回はちょっとだけ英語と日本語の文化的違いの一つについて触れましょう。

 

ずいぶん以前の話ですが、ある生徒さんが次のようなことを言おうとしました。

 

I went out to eat with my wife very often when I was in college.

 

ここでこの生徒さんは一つ疑問に思って私に次のような質問をしました。

 

(その質問によって私はあらためて英語と日本語の文化的違いに気づかされました)

 

生徒さん:私が大学生の頃はまだ結婚していので、my wifeと言ってしまうとウソになる。

でも、今彼女は私の妻なのでmy wifeには違いないのだけれど、でもこのときはただのgirlfriendなので、my girlfriend と言うべきなのか。

でも、そうすると聞き手にその人が今の私の妻だとは分からないし、後で言い足せばいいのだろうけど、そんなめんどくさいことをする必要があるのか。

 

もっともな質問だと思いました。

とてもいい質問だとも思いました。

 

その時私は以下のように説明したと記憶しています。

I went out to eat with my wife …..と言うときのmy wifeはその時の人間関係というよりも、今自分の妻であるその人、と言う意味で言っているのだから、特に問題はない。

確かに、その時はmy wifeではないのだけれど、常識的に考えて、大学生で結婚している人は圧倒的に少ないので、聞き手もmy wifeと聞いたからといって、その時既に結婚していたとは直ぐに結論付けないので、問題ない。

どうしてもその部分をはっきりさせたければ、あとで付け足せばいい。

 

例えば、

I went out to eat with my wife very often when I was in college. Well, of course we were not married then.

 

あるいは

I went out to eat with my girlfriend very often when I was in college. Well, by the way, she is my wife now.

 

ただし、後者だとちょっとニュアンスが変わってきますね。

前者の方がこのときの生徒さんが言いたかったことにぴったりきます。

 

ここまで言って更に付け加えました。

 

しかし、例えばアメリカ人などはいま説明したことを考える必要が無いのですよ。

 

どうしてでしょう。

 

それは彼らが名前を使うからです。

 

これは大きな違いですね。

 

もちろん自分の夫、妻のことをmy husband, my wifeということも当然多々あります。The Nativebusterの例文でも、人間関係を分かりやすくするために、my husband, my wife, my son, my daughterはよく出てきます。それが不自然と言うわけではありません。

ただ、親しい間柄で自分の家族の名前を知っている人に対しては、my husband, my wife, my son, my daughterと言う場合よりも、名前で言うことの方が多いでしょう。(注:さすがに父親、母親のことは名前では言わないですね。dad, daddy, mom 等ですね。)

 

これは日本人が、親しい人に対しても、

主人が、家内が、うちの子が、云々 と言うのと大きく違いますね。

 

先の生徒さんの例でも、聞き手である私が、その方の奥様の名前を知っていれば、

I went out to eat with Yoshiko very often when I was in college.

 

で何の問題も無く、スッキリしたわけです。

 

私も、私の生徒さんに対してはその文化的違いを分かってもらいたくて、自分の家内や息子のことは必ず名前で言うようにしています。

2014年6月3日 16:57 - CATEGORY : Blog




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