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安心ください。My name is…普通に使います!

ちょっとどうしても伝えたくて番外編です。
先日、某メジャーなテレビ局の朝の情報発信番組で、私たちが学校で習った英語と実際にネイティブが話す英語の違い、について時間を割いていました。たまたま見たその内容にとても違和感を覚えたのは私だけでしょうか。

My name is…と言うのは「拙者は何々でござる」ぐらい古い感じがしておかしい。I am….と言うのが正しい。

What’s your name? と言うのは「あんた名前は?」みたいなニュアンスでぶっきらぼうで、だから使わない。

いいえ、決してそんなことはありません。

My name is…. What’s your name? どちらも普通に使われます。状況によります。

確かに、私がアメリカで暮らしている頃、My name is .と自分の名前を名乗るより、I am …. と言うことの方 多かったと記憶しています。ただそれはカジュアルな場に参加することの方が圧倒的に多かったからです。

私の知り合いのアメリカ人の英会話講師も、一番最初のレッスンのときなど、新しい生徒に向かってMy name is….と自己紹介をすることの方が多いと言っていました。I am …でもいいのですが、初対面の生徒に対して、まずきちっとした言い方を好む彼はそう言いました。

What’s your name? と聞かれることもあります。

アメリカの大学のクラスで発言しようと手を挙げたときに、教授がとてもフレンドリーなトーンでWhat’s your name? と聞いたりすることはたくさんありました。「あんた名前は?」というニュアンスとは程遠いものがあります。

要するに、全て状況によるということです。
番組の中で、私は見落としたのですが、家内によると、レポーターが街頭に出てネイティブにインタビューして、My name is…は古いみたいにことを言っている場面があったそうです。もちろん彼らがウソを言っているわけではありません。ただ、街頭インタビューでは、じっくり考えて物を話せないし、その時の感覚で、普段の自分の日常会話を根拠に言うだけですから。

ネイティブはネイティブゆえに自分の言語を客観的に見れないことが少なくありません。われわれ日本人が日本語を客観的に見にくいのと同じです。

番組内で、Kアナウンサーが、もっと早く知っていればよかった。そうすれば外国人スターにインタビューしたときにMy name is…なんて言わなかったのに、このよに残念がられた場面がありました。

お気持ちはわかります。

しかし、ハリウッドスターなど、外国人にインタビューするときに

My name is…

は完璧に自然で、正しいです。

外国人に日本人の名前の響きは、ぱっと聞いてすぐに名前と判断できません。Toshi, とかJunとかならいざ知らず、ほとんどの名前は欧米人にはなじみがありません。

I am…と言ってももちろん問題ありませんが、

My name is…で始めた方が、聞く側の立場からすれば、

“Okay, your name is?”と名前を聞く体制になれるので、分かりやすく親切です。

以上くどくど、述べましたが、

日本の英語教育の問題は、文脈や状況を無視した画一的な教え方にあるはずです。

そこをまた無視して、単にI am の方が多いようだから、そちらだけで教える、その発想だと本当に日本の英語教育は進歩しません。

そしてさらに大きな問題は日本語訳です。

My name is ….は「拙者は・・・でござる」

What’s your name? は「あんた名前は?」

これは断じて違いますし、また、そのように日本語で理解してもらおうとする発想こそ‟古い!”そのことに気が付いてほしいものです。

look, watch, seeの違いが分かること。say, tell, talk, speak,の違いが分かること。

使えもしない難しい単語をたくさん暗記させるより、使いこなせる単語を使いこなせるように学ばせてあげる。

英文法も英文法のTestのためではなく、英語を使いこなす道具として教える。

コミュニケーションツールとして英語をとらえること。そういったことの方がはるかに大切だと私は思います。

2014年1月23日 14:36 - CATEGORY : blog

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代名詞を使う意味を体験させる

代名詞にはそれを使う理由が二つあります。
 一つには、同じ固有名詞を何度も言うのが面倒くさいから。
 もう一つは、それで相手が分かるからです。

このことを体験させないで、いきなりhe だの、sheだの、they だの、itなど言わせようとする(書かせようとする)ので、生徒はなかなかこの代名詞を使いこなせません。この代名詞は何を指すか、そんな本来あまりにも簡単な問題に答えられなかったりするのです。

弊社学校の中学生コースの最初には次のようにしています。
しばらく(一か月から一か月半ほど)代名詞(Iとyouは例外)は使わないでレッスンを進めます。
例えば、
Instructor: Does your mother play any sports?
Student: Yes, my mother does.

I: Do you and your family live in Chiharadai?
S: No, my family and I don’t.

I: Are your hands clean?
S: Yes, my hands are.

I: Is your school big?
S: No, my school isn’t.

こういったyes-no questionsのやり取りなどをたくさんします。
そうすると、生徒はそういうものかと、指示通りにやりますが、主語をそのまんま繰り返さなければならない英語に、“面倒だ!”と感じてきます。
それでもしばらく続けて、タイミングを見計らってhe, she, we, they, it などを紹介します。
そして、同様のyes-no questionsに対して、今度は以下のように行います。

Instructor: Does your mother play any sports?
Student: Yes, she does.

I: Do you and your family live in Chiharadai?
S: No, we don’t.

I: Are your hands clean?
S: Yes, they are.

I: Is your school big?
S: No, it isn’t.

この様にして、生徒に代名詞を使うことの便利さを体感してもらいます。

このやり方には、他にも素晴らしい副産物的効果があります。
いきなり代名詞を使わせて教えると、英文の構造に目を向けません。
例えば、Yes, I do. が一つのまとまった、単なる肯定の答えのように錯覚したりするのです。
I: Does your school have a swimming pool?
S: Yes, I do.

I: Do your parents often go out together?
S: Yes, I do.

この様に会話にならなかったりします。このような返答を一般の方でも、初級レベルの方は、私の学校にいらして最初のうちは頻繁に言います。

ところが、代名詞を使わないでしばらく教えることによって、
Yes, NoのあとのSubjectをその都度、その都度様々な言葉で言うことを体験させられますから、知らず知らずのうちに意味のある、substitution practiceが出来てしまうので、英文構造自体に注意が行きます。初期の段階でのこの理解度の差は、あとで大きく響いてきます。

また、次のようなこともあります。
あなたの家族で母親だけが、ピアノを弾くとしましょう。
そしてある話の流れの中でこんな質問がなされたとしましょう。
Does anyone in your family play the piano?
この質問に
Yes, my mother does.
と答えられる人がなかなかいません。
Yesの後は代名詞でないとしっくりこないような教え方をされているからです。

まず、あえて代名詞を使うことをすこし延期して、代名詞を使うその意味を体感させる。

参考にしていただければ幸いです。

次回の投稿は、どのように代名詞を生徒に紹介するか。それについて少し触れたいと思います。

2014年1月22日 14:21 - CATEGORY : blog

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he, she, などを彼、彼女と決して教えない

「マイヒー」これを私が生徒さんから聞いて目を白黒させたのは、もう何年も前の話です。その生徒さんは女子高校生で、彼女は自分の彼氏のことをそのまんま、”my he” と言ったのですね。これは極端な例だと思われますか。いいえ、別の例を出しましょう。私は今でこそ長年の経験と信念から小学生に英語を教えることをしていませんが、10数年前一時小学生も生徒さんとして受け入れていた時期がありました。その時のことです。
名前は伏せておきますが英語・英会話を教える圧倒的に有名な某英語・英会話教室に何年も通われた男の子が途中からクラスに参加しました。ある日のレッスンんでのことです。人の職業を聞くアクティビティをしていました。
What does your father do? と私が一人一人に聞いたと思います。
自分の父親の職業をよく知らない子も多いので、あらかじめ職業カードをわたして、そのカードが自分の父親の職業だということに設定していました。
それぞれ、He is a firefighter.
He is a carpenter.
He is a doctor.
などと答えて、その子の番になりました。彼はこう言いました。
My father is a police officer.
私は、Okay, he is a police officer.
my fatherと繰り返さずに、heと言う単語を使うように促しましたが、
かれはキョトンとした顔をして、かたくなに
My father is a police officerと言いつづけました。
そこで、
What does “he” mean in this case?
と彼に聞いてみました、私は、彼の答えに思わず心の中で‟あっ”と言いました。
なんでそんな分かり切ったこと聞くの?といった表情で、
「彼」
これが彼の答えです。
つまりこうです。父親のことを「彼」と言うことは彼にはあまりにも抵抗があって言えなかったのです。
その場で”he”とはどういう働きを持った単語なのか説明しました。彼は目をまるくしして、でも半分疑うような眼差しで私の話を聞いてくれました。
(ちなみにこのときの彼はその後高校卒業まで私の学校に通い、念願の医学部にも合格しました。)
theyにしても同様です。
theyを、彼ら、彼女ら、それら、などと教えてしまうと、本当にこの単語は使いこなせません。
学校の授業でも、theyを‟彼ら”と訳させる場面が非常に多いので、生徒たちの頭にはThey=彼ら と言う図式が出来上がってしまうのです。
話す英語を教える際に、このことは、基礎的な部分でも本当にインストラクターを悩ませます。
例えば、本当にものすごく簡単な問いに対しても、
A: Are your hands clean?
B: Yes, …..
Yes, they are. のtheyがなかなか出ません。

A: Do your eyes hurt?
B: No, ….
No, they don’t. このtheyがなかなか出ません。

複数でも、手や目をそれら、ましてや、彼ら、などと言うことは決してないからです。

ほんの少しの工夫で、これら代名詞は、日本語を介さずに、その働きを直接生徒の頭に入れるやり方が、いくらでもあると私は思います。
次回の投稿で一つ紹介しましょう。

2014年1月10日 16:12 - CATEGORY : blog

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出来ることから始めましょう

さて、いよいよ具体的に行動に移すときです。文科省の英語を英語で教えるという方針は2020年から本格始動ですが、そこからいきなりヨーイドンで始めるには無理があるでしょう。その時点で生徒にはこう言わせたいものです。「なんだうちの英語の先生はそんなこともうとっくにやっているよ。」
そこをめざしてがんばりましょう。
では、これまでずっと日本語で英語を教えてきた教師がまず何から始めるべきか。
いきなり、‟よし、今日から全て英語で授業を進めます。」と生徒に言っても、それが本当に出来るでしょうか。
あなたが、もし「出来る」と言う自信があって、本当に実践できるのなら、それも一つの方法かもしれません。それが一番いいかもしれません。
ただ、多くの先生方にはやはり抵抗があるでしょうし、また、生徒も面食らうでしょう。
そこで、私からの提案です。
まず、新しく出る単語の意味の説明をするさい、これまでの日本語訳での説明をやめ、英語を使って説明することから始めたらどうでしょうか。
英単語を一つ一つを日本語訳ではなく、英語で理解する。
仮に生徒が頭の中で、日本語訳を探したとしても、それはそれで構いません。大切なのは生徒に与えるメッセージです。
英語は英語で理解するもの、この概念をしっかりと生徒の頭に落ち着かせるためには、まず英単語の意味を日本語訳に頼らない方法で理解する。
それが大切です。

そんなこと言われても、難しすぎる、と感じられる方もいらっしゃるでしょう。
あなた自身が辞書代わりになろうとすると難しいでしょう。英語で説明するというより、英語を使って説明すると申し上げました。
具体的に例を示したいと思います。
次回の投稿でいくつかお示ししましょう。

2014年1月4日 18:03 - CATEGORY : blog

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輝く教師は自分にも生徒にも正直な教師です

あなたが、もしこれまでずっと日本語で英語を教えてきて、そして英語がうまく話せないと自覚しているのなら、そのことを自分にも生徒にも正直に認めましょう。なにも、‟自分は英語を話すのは苦手だ!”と生徒に対して断言しなさい、と言っているわけではありません。そのことを気持ちの中できちんと認めていれば、その正直な気持ちが授業の中に反映されるということです。
あなたが、どんなに‟出来るように”見せようとしても、インターネット社会で普段からネイティブの英語をいくらでも聞ける生徒にはすぐにわかります。
知らないことを知ったふりしたり、出来ないことを出来るふりをしても、必ず見透かされます。
生徒に本当に尊敬される教師は、生徒のために自分自身が向上しようと努力している教師です。
数学の教師の仕事は、いかに数学が得意かを生徒に見せつけることではありません。
生徒が、いかに数学を理解し出来るようになるか助けることです。
英語教師の仕事も釈迦に説法かもしれませんが、いかに英語が上手かを生徒に見せつけることではなく、生徒が、いかに英語がうまく使えるようになるか助けることのはずです。
いいサッカーコーチは必ずしもサッカーの名選手とは限りません。選手としては大成していなくても、コーチや監督して優れた人はたくさんいます。
同じことだと思います。
あなたはネイティブではありません。そのあなたが英語を英語で教えることの意味を考えてみましょう。
それは生徒に対するメッセージだと私は思います。
これまでの和訳、英訳一辺倒の英吾学習では今後求められる英語でのコミュニケーション能力の向上につながらない。英語は英語で理解する。そうしてこそ、訳すというまだるっこうしいワンクッションを置かずに英語を理解することが出来る。
それを自ら実践して生徒に見せる。そこに最大の意味があるのだと私は思います。
今の世の中、中学高校だけで英語の学習が終わるものではありません。社会に出てから今後ますます英語力の向上が求められます。
自分と言う窓口を通して、英語の世界に足を踏み入れる生徒のために何をなすべきか。
それは、英語はこういうものだと、生徒を固めてしまうのではなく、外国語である英語はどう学んでいけばいいか、一つの指針をあなたが生徒に示してあげることです。それはあなたから一方通行に示すような仕事ではなく、生徒ととのふれあいの中で示すことだと私は思います。
肩の力を抜いて、自分をさらけ出しましょう。
うまく英語が口から出てこないことは恥ずかしいことではありません。
あなたの努力次第で、それは必ず改善されますし、あなた自身の向上を見ることが、あなたの生徒にとってはとても刺激的なはずです。
(想像してみてください。生徒が「○○先生、半年前と全然違うよね。」とか他の生徒と話している様子を)
恥かしいのは、生徒に努力と向上を求めるくせに、自分がまったく努力しないことではないでしょうか。
少なくとも私はそう思います。

2014年1月2日 15:10 - CATEGORY : 未分類

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