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代名詞を使う意味を体験させる

代名詞にはそれを使う理由が二つあります。
 一つには、同じ固有名詞を何度も言うのが面倒くさいから。
 もう一つは、それで相手が分かるからです。

このことを体験させないで、いきなりhe だの、sheだの、they だの、itなど言わせようとする(書かせようとする)ので、生徒はなかなかこの代名詞を使いこなせません。この代名詞は何を指すか、そんな本来あまりにも簡単な問題に答えられなかったりするのです。

弊社学校の中学生コースの最初には次のようにしています。
しばらく(一か月から一か月半ほど)代名詞(Iとyouは例外)は使わないでレッスンを進めます。
例えば、
Instructor: Does your mother play any sports?
Student: Yes, my mother does.

I: Do you and your family live in Chiharadai?
S: No, my family and I don’t.

I: Are your hands clean?
S: Yes, my hands are.

I: Is your school big?
S: No, my school isn’t.

こういったyes-no questionsのやり取りなどをたくさんします。
そうすると、生徒はそういうものかと、指示通りにやりますが、主語をそのまんま繰り返さなければならない英語に、“面倒だ!”と感じてきます。
それでもしばらく続けて、タイミングを見計らってhe, she, we, they, it などを紹介します。
そして、同様のyes-no questionsに対して、今度は以下のように行います。

Instructor: Does your mother play any sports?
Student: Yes, she does.

I: Do you and your family live in Chiharadai?
S: No, we don’t.

I: Are your hands clean?
S: Yes, they are.

I: Is your school big?
S: No, it isn’t.

この様にして、生徒に代名詞を使うことの便利さを体感してもらいます。

このやり方には、他にも素晴らしい副産物的効果があります。
いきなり代名詞を使わせて教えると、英文の構造に目を向けません。
例えば、Yes, I do. が一つのまとまった、単なる肯定の答えのように錯覚したりするのです。
I: Does your school have a swimming pool?
S: Yes, I do.

I: Do your parents often go out together?
S: Yes, I do.

この様に会話にならなかったりします。このような返答を一般の方でも、初級レベルの方は、私の学校にいらして最初のうちは頻繁に言います。

ところが、代名詞を使わないでしばらく教えることによって、
Yes, NoのあとのSubjectをその都度、その都度様々な言葉で言うことを体験させられますから、知らず知らずのうちに意味のある、substitution practiceが出来てしまうので、英文構造自体に注意が行きます。初期の段階でのこの理解度の差は、あとで大きく響いてきます。

また、次のようなこともあります。
あなたの家族で母親だけが、ピアノを弾くとしましょう。
そしてある話の流れの中でこんな質問がなされたとしましょう。
Does anyone in your family play the piano?
この質問に
Yes, my mother does.
と答えられる人がなかなかいません。
Yesの後は代名詞でないとしっくりこないような教え方をされているからです。

まず、あえて代名詞を使うことをすこし延期して、代名詞を使うその意味を体感させる。

参考にしていただければ幸いです。

次回の投稿は、どのように代名詞を生徒に紹介するか。それについて少し触れたいと思います。

2014年1月22日 14:21 - CATEGORY : blog

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