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  2. 教室でガンバル英語教師のために

he, she, などを彼、彼女と決して教えない

「マイヒー」これを私が生徒さんから聞いて目を白黒させたのは、もう何年も前の話です。その生徒さんは女子高校生で、彼女は自分の彼氏のことをそのまんま、”my he” と言ったのですね。これは極端な例だと思われますか。いいえ、別の例を出しましょう。私は今でこそ長年の経験と信念から小学生に英語を教えることをしていませんが、10数年前一時小学生も生徒さんとして受け入れていた時期がありました。その時のことです。
名前は伏せておきますが英語・英会話を教える圧倒的に有名な某英語・英会話教室に何年も通われた男の子が途中からクラスに参加しました。ある日のレッスンんでのことです。人の職業を聞くアクティビティをしていました。
What does your father do? と私が一人一人に聞いたと思います。
自分の父親の職業をよく知らない子も多いので、あらかじめ職業カードをわたして、そのカードが自分の父親の職業だということに設定していました。
それぞれ、He is a firefighter.
He is a carpenter.
He is a doctor.
などと答えて、その子の番になりました。彼はこう言いました。
My father is a police officer.
私は、Okay, he is a police officer.
my fatherと繰り返さずに、heと言う単語を使うように促しましたが、
かれはキョトンとした顔をして、かたくなに
My father is a police officerと言いつづけました。
そこで、
What does “he” mean in this case?
と彼に聞いてみました、私は、彼の答えに思わず心の中で‟あっ”と言いました。
なんでそんな分かり切ったこと聞くの?といった表情で、
「彼」
これが彼の答えです。
つまりこうです。父親のことを「彼」と言うことは彼にはあまりにも抵抗があって言えなかったのです。
その場で”he”とはどういう働きを持った単語なのか説明しました。彼は目をまるくしして、でも半分疑うような眼差しで私の話を聞いてくれました。
(ちなみにこのときの彼はその後高校卒業まで私の学校に通い、念願の医学部にも合格しました。)
theyにしても同様です。
theyを、彼ら、彼女ら、それら、などと教えてしまうと、本当にこの単語は使いこなせません。
学校の授業でも、theyを‟彼ら”と訳させる場面が非常に多いので、生徒たちの頭にはThey=彼ら と言う図式が出来上がってしまうのです。
話す英語を教える際に、このことは、基礎的な部分でも本当にインストラクターを悩ませます。
例えば、本当にものすごく簡単な問いに対しても、
A: Are your hands clean?
B: Yes, …..
Yes, they are. のtheyがなかなか出ません。

A: Do your eyes hurt?
B: No, ….
No, they don’t. このtheyがなかなか出ません。

複数でも、手や目をそれら、ましてや、彼ら、などと言うことは決してないからです。

ほんの少しの工夫で、これら代名詞は、日本語を介さずに、その働きを直接生徒の頭に入れるやり方が、いくらでもあると私は思います。
次回の投稿で一つ紹介しましょう。

2014年1月10日 16:12 - CATEGORY : blog

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